PDCAサイクルとは
業務改善に役立つツール
PDCAサイクルは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)→Planに戻る」を繰り返し、業務を改善していく仕組みです。マネジメント・サイクルとも呼ばれるもので、非常にポピュラーなものなので、ご存じの方も多いと思います。
PDCAの意味
①Plan=計画を立てる
まず目標を立てなければなりません。目標が明確でなければ、このPDCAサイクルはただ空回りするばかりです。どこに向かうのか誰もわからないまま、ただ回転させても効果は上がりません。
また、目標には期限がなければなりません。期限がなければサイクルは回りません。いつまでも「Do」の状態が続いてしまいます。
目標と期限を設定したら、次はそれを達成するための方法を計画します。誰が何をやるのか、を明確にすべきです。期限までにすべきことを整理し、スケジュール化しましょう。
②Do=計画を実行し、結果を測定する
計画に従って実行します。目標と期限を意識するようにしてください。
注意すべきことは、次のステップで「評価」が必要になるということです。評価するためには、結果を記録しておかなければなりません。実行の結果について、数値・成否・注意点など、記録して残しておきましょう。
③Check=測定した内容を評価する
測定結果を整理し、実行の内容を評価します。
そもそも計画通りの行動ができていたか。できなかったなら、その原因は何か。
計画通りに行動できたなら、その結果はどうだったか。想定通りの収穫を得ることができたか。想定通りでなかったなら、その原因は何か。
④Act=評価に対して改善策を検討する
評価を見て、その計画を続けるか、やめるかを検討します。効果があがりそうになければ、違う手段を考える必要があります。
結果が悪かった場合はもちろん、良かった場合も改善点がないかを考えてみましょう。そして、また次の計画に繋げていくのです。
PDCAサイクルの活用
PDCAサイクルを何に使うか
PDCAサイクルは業務改善のためのシステムです。「業務」は個人のものでもいいし、組織全体として取り組むこともできます。また、業種は問いませんし、販売・営業・生産・開発・総務など、あらゆる場面で使用できるものです。
PDCAサイクルは業務改善の基本中の基本
PDCAサイクルには、「実践しても効果がない」「むしろ効率が悪くなる」「時代遅れだ」という批判があります。
しかし、よく考えてみると「PDCA」はごく当たり前のことしか言っていないのではないでしょうか。業務を改善するためには、「新しいことを試してみて、次の改善に活かす」ということは誰でもやっていることです(改善を目指さない人は別ですが)。
その行動を理論的に解析して言語化しているのがPDCAサイクルであり、「新しいことを試す」に対してちゃんと整理をしましょう、と示唆しているだけなのです。
そういう意味では、PDCAサイクルを元にして、各組織・各個人で適切なシステムを構築していくことが正しいのだと思います。
PDCAがうまくいかない理由として、「そもそも計画に無理がある」「せっかく立てた計画を怠惰で実行しない」「評価をして改善するという部分が抜けている」などが言われます。その場合、PDCAがダメだと否定するわけでもなく、かと言ってPDCAが必要十分なものだと過信するのでもなく、独自のアレンジを加えて改善スタイルを築くことが必要なのです。