PEST分析とは
外部環境のマクロ分析をするためのツール
PEST分析は、外部環境の中でもマクロな視点で分析するためのフレームワークで、フィリップ・コトラーが提唱したものです。外部環境は、マクロとミクロに分けることができると考えられており、ミクロは概ねその業界に関するもの、マクロは業界を超えた環境を指すのが一般的です。
ミクロ環境のほうが、より直接的に自社の経営に影響を及ぼすため、重要度としては高いですが、マクロ環境も決して無視できるものではありません。
マクロ環境にはPEST分析が用いられることが多く、ミクロ環境には3C分析やファイブ・フォース分析が有効となります。
>>3C分析
>>ファイブ・フォース分析
外部環境分析の必要性
マクロにしろミクロにしろ、自社の経営を診断する場合に、外部環境の分析は必須です。「自社の強みは高い技術力です」とは言っても、その製品にニーズがなければ意味がないし、技術力が高いかどうかは自社単独では比較できないため本当のところがわかりません。また、大きな経済変化や代替する新技術の開発など、自社の強みを活用させる、もしくは無力化するようなことも検討しなくてはならないのです。
SWOT分析では、内部環境である自社の強みと弱み、外部環境である機会と脅威を抽出します。それは、自社の強みを活かす機会があるか、自社の弱みを脅かす脅威がないか、ということが今後の経営戦略に大きな影響を与えるためです。そのため、外部環境を分析することも重要となっています。
>>SWOT分析
PESTの意味
Politics(政治)
政治(法制化)によって起こる様々な規制や緩和、新たな方針への誘導などです。
最近でいえば、下記のようなものが挙げられるでしょう。
- 外国人材の受け入れ拡大
- 消費税増税(の予定)
- 働き方改革関連法案
- 保育料の免除
- 事業承継を支援する施策の確立
- IDECOやNISAの推進
Economy(経済)
経済といえば、もっとも重要なものは景気動向です。それによって所得や購買力が上下しますので、直接的に企業の活動に影響を与えます。また、日本だけでなく、海外の景気動向も影響する企業もたくさんあります。
Society(社会)
政治や経済以外でのマクロ環境になります。
たとえば、以下のようなものを想定してください。
- 超人手不足
- 少子高齢化
- 女性の社会進出と共働き世帯の増加
- 健康志向の高まり
- 生涯未婚者の増加
- 外国人観光客の増加
- SNSの普及
Technology(技術)
技術的な進歩も、企業に機会と脅威を与えます。
たとえば、下記のようなものがあります。
- ICTのさらなる進歩
- IoTの普及
- AIの汎用化
- ロボットの労働現場への進出
- ビッグデータの活用
- さまざまなアプリが開発できる環境